お金の教養 経理の自動化

【上級編】フリーランスがfreeeを使って「お金が余る経営」をしていくための考え方

こんにちは、こんぶだし茶です。

この記事では、freeeを使って「お金が余る経営」にしていくための考え方をお伝えします

freeeの仕訳、確定申告などの基本的な話や、freeeに備わっている時間短縮・お金管理の機能は初級編と中級編で紹介したので、そちらもぜひご覧ください。

https://fin-free.tokyo/?p=99
https://fin-free.tokyo/?p=100

なお、この記事では、freeeのスタータープラン、スタンダードプランに備わっている機能で解説をしていきます。

現状を分析できるようにしよう

freeeは会計ソフトです。

きちんと仕訳をしていると、会計情報がリアルタイムで手に入ります。

会計情報がリアルタイムで手に入ることで、会計情報を経営に活かせるようになります。

会計情報は、インターネットの情報と同じで鮮度が大事です。

昔ながらの税理士に経理を頼むと、月末の会計情報が2か月後渡してもらえます。
それでは遅すぎます。

リアルタイムというと、急かされている気がしますが、実際はその逆で、
心に余裕を持った経営をしていくためには、「融資を受けようかな」「広告費を増やそうかな」と対策を早めにする必要があります。
対策が速いと心が落ち着きます。
分からないまま不安な時間が人を無駄に消耗させます。
落ち着きの中で経営をするために、会計情報はできるだけ早く手に入れる必要があるのです。

freeeを使っている人はみんな、そんな貴重な情報にアクセスすることができるのです。

毎月の月末には、仕訳を全部を終わらせよう

リアルタイムな仕訳をしていると、リアルタイムな会計情報が手に入ります。

でも、仕訳をさぼっていると当然だけどfreeeを使ってもリアルタイムな会計情報は手に入りません。

少なくても月に一回、仕訳を終わらせることが大事です。

中級編で紹介した自動登録と推測結果の修正ができるようになると、あっという間に終わらせられるようになるはず。
そちらも参考にしてみてください。

経営で目指すこと3つ

ところで、フリーランスは小規模ですが、一つの事業であることには変わりありません。

さまざまな外圧に負けずに仕事をしていくには、

誰にとっても次の3つが目指すべき事業方針になるのではないでしょうか。

鉄則1:単価を上げることを目指す

経営の原則はお金を余らせることであり、一番良いのは売上です。

「売上増は七難隠す」という言葉があり、売上増が多いとさまざまな問題を解決する手段になるからです。

支払いができない、必要なものが買えないといった目先のことも、

新しいジャンルの勉強がしたいといった将来のこと、

安心して仕事したい、お金のことを考える時間をなくしたいといったメンタルめんのことも売り上げ増で解決できます。

鉄則2:お金が余ることを目指す

お金が余ることを目指すということも、工夫の余地があります。

「鉄則1と同じじゃないか」と思われるかもしれませんが、少し違います。

お金を余らせるというのは、手元に現金があるように工夫することです。

もちろん、売り上げを増やすのも手元に現金を残す工夫の一つですが、他に次のような工夫ができます。

売掛金を早く回収する

売掛金を早く回収することは、請求を早めるということです。

「請負契約は納品してからお金をもらうもの」という思い込みをしている人が多いですが、先に貰えるようにもできます。
そういった契約(約束)にしてしまえばいいのです。
先に貰えなくても、着手金をもらったり、納品をアルファ版、ベータ版と提出するのなら
そのたびごとに分割で支払いを受けられるようにすると、現金に困ることは少なくなります。

買掛金の支払いを遅くする

逆に、現金が手離れすることを遅くすることも現金を手元に残すことになります。

現金払いをしている人は、カード払いに。

仕入れや外注がある人は、すぐ支払っているのを翌月払いに。

「後に払うのも先に払うのも一緒ではないか」と思うかもしれませんが、

すぐ支払っているのを、翌月に支払うように切り替えていくようにルールを変えると、
本当に手元にお金が残りやすくなります。

融資を受けておく

融資については別の記事にも書いています。

https://fin-free.tokyo/?p=22
https://fin-free.tokyo/?p=81

融資は、「困ったときになってから借りても遅い」という性質があります。

融資の相談をしてから支払われるまでひと月かかることがあります。

また、今日明日のお金に困っている状況で「貸してください」と言っても、普通は貸してもらえません。

借りたお金は使わずにとっておきます。そうすることで、現金が常に手もとにあるので、
安心して仕事ができます。

(仕入れがある仕事の場合)安い仕入れ先を探す

もし仕入れをしている仕事であれば、仕入れ先を検討します。

「買いやすいので、いつも使っているところから仕入れる」というのではなく、なるべく安く仕入れる先を探します。

以上の、「単価を上げる」、「売掛金を早く」、「買掛金を遅く」、「融資を受ける」、「仕入れ先を安く」という変化にまじめに取り組むと、取組前より手元にお金が残るようになります。

一つ一つは地味ですが、賢い経営者は、皆やっています。
フリーランスでも応用できることです。
ぜひ、ためしてください。

鉄則3:大きくぶれないことを目指す

鉄則3は、フリーランスにありがちな

「ある月はドカンと売り上げを計上して、別の月にまったく売り上げがない」
という状況を変えていきましょうということです。

また、経費も突然ドカンと使うことを警戒するようにします。

要は、予測が立たない経営を改め、毎月売り上げが立つように事業を見直すべきなのです。

また、クライアントの1社に売り上げを依存している状態も警戒するべきだと思います。

仕事というのは人間関係です。
突然関係が切れてしまうかもしれません。

そこからの仕事が途切れてもなんとかなるように事業を複数持っておくことが大事です。

freeeのレポートを使って、経営をチェックしよう

以上、鉄則1~3を紹介しました。

さて、freeeを使うと、次の内容がチェックできます。

ポイント

  1. 各月でどの程度収益、費用、損益がばらついているか
  2. 1社のクライアントに依存していないか
  3. 使いすぎていたり、無駄な費用はないか
  4. 今、現金・預金にどれだけ余裕があって、どれだけ余裕のある状況が続けられるのか

これらをチェックするのには、freeeの「収益レポート」「費用レポート」「損益レポート」「資金繰りレポート」を使います。

収益レポートを確認する

収益レポートをみると、「取引先別」「品目別」「勘定科目別」で集計したグラフを見ることができます。

レポートでは、左上のボタンで、折れ線グラフと棒グラフを切り替えられます。

僕の事業の、過去のデータをもとに説明します。

棒グラフにすると、各月の売上に波がないかを確認できます。

上のグラフでは、左から3つ目の月は、売上が少なすぎますね。

タブの「取引先別」では、どこかのクライアントに依存した状態になっていないか、改めて確認してみてください。

「品目別」のグラフでは、たとえば「ウェブサイト制作の売上」「エンジニアとしての売上」と事業を複数持っている場合に、
事業別の売り上げを確認することができます。

事業別に確認するには、売上の仕訳ごとに品目を入力してください。

費用レポートを確認する

費用レポートでは、支出した項目とその金額を確認することができます。

上記のグラフでは、広告宣伝費を使いすぎていることがわかります。

外注費も一定の金額を使っています。

費用対効果を考慮して、効果がなければ費用をカットしていくようにします。

損益レポートを確認する

損益レポートは、上の収益レポート、費用レポートをまとめたものですが、

各月ごとに収益費用にばらつきがないかを確認していくために使えます。

毎月収益が入っているか。
費用は毎月安定しているかをトータルで確認するものです。

ばらつきがある場合、事業の在り方をもう一度考える必要がありそうです。

資金繰りレポートを確認する

現金・預金がどれくらい手元にあって、どれくらい維持できるのかを確認するには、
資金繰りレポートを確認します。

(ちなみにどのレポートもそうですが、このレポートは特に、日々の仕訳をしていないと役に立つ資料とはなりません。)

「グラフによると、2カ月後には、ひょっとしたらお金がなくなるかもしれない」
ということになったら、融資を受けるなどの対策をします。

このレポートをもとに、将来の心配事に対して先手が打てるのです。

自分にアイデアがなかったら、商工会議所等に相談することもできます。

これによって、安心して仕事をしていくことができます。

まとめ

上級編として、経営についての考え方や、レポートの使い方について解説をしました。

経営の鉄則は次の3つがあります。

ポイント

  1. 鉄則1:単価を上げることを目指す
  2. 鉄則2:お金が余ることを目指す
  3. 鉄則3:大きくぶれないことを目指す

鉄則に沿った経営ができているかを、freeeの「収益レポート」「費用レポート」「損益レポート」「資金繰りレポート」で確認できます。

初級編、中級編、上級編とfreeeの使い方について解説しましたが、

確定申告だけに利用して、一年触らないなんて言うもったいない使い方をせず、

ぜひfreeeを使って「お金が余る経営」を目指してください。

  • この記事を書いた人

こんぶだし茶

こんぶだし茶といいます。フリーランス歴18年目です。 ウェブデザイン制作を行いつつ、3年前に認定経営革新等支援機関に登録されてからは個人事業主の経営支援を行っています。 このブログでは、ウェブデザイナー2年目以降の人に、フリーランスがお金を残していくための仕事の仕方をお伝えしています。 フリーランスにとって最も大事な「売上をアップさせる方法」のほか、確定申告、フリーランスのための融資、NISA、iDECO、補助金といったことが主な内容です。

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