こんにちは。こんぶだし茶です。
この記事では、従業員(アルバイトを含む)を雇っているフリーランスや、フリーランスがこれから従業員を雇うかもしれない人に必要となる、助成金についてのお伝えします。
補助金・助成金・給付金・支援金の違いを丁寧に解説
まずは、助成金・補助金・給付金・支援金について、ネットにたくさん情報が出ていますが、
情報が間違っているものが多く、
ごちゃごちゃにしていると今後のビジネスがうまくいかない可能性があります。
まずは、それぞれを解説することにします。
補助金
補助金も助成金も、国や地方公共団体から支給されるお金であるこ点は一緒です。
このあと紹介する助成金と違い、補助金は、申請すればもらえるものではなく、審査がおこなわれます。
採択率は補助金によって様々ですが、メジャーな補助金だと40%~80%の採択率です。
しっかりと準備して書類を作成する必要があります。
「事業再構築補助金」だと60時間くらいかけて作るのも普通にみられます。
補助金については別の記事にも書きましたので、あわせて参考にしてください。
助成金
助成金とは、法人あるいは個人の事業主を支援するため国や自治体が支給するお金のことです。
主に雇用関係を改善するために支給されるお金で、厚生労働省の所管となっているものです。
雇用をしていない方には、活用できる助成金はあまり多くありません。
補助金の審査よりも通りやすい
助成金は、提出書類が要件を満たしていれば受給可能です。
ただし、基準がゆるいかというと、そういうわけではありません。
提出が一日間に合わなかっただけでも支給がみとめられない場合もあります。
また、応募者が一定に達したら募集を締め切る場合もあります。
補助金と助成金はまぎらわしい
まれに、経済産業省や地方自治体が補助金として設けた制度に「助成金」と名前がついていることがあります。
これが紛らわしくさせています。
しかし、先ほどお伝えしたように、社会保険労務士(社労士)にしかできない書類作成を無資格の人に依頼したら
助成金の申請代行は、社会保険労務士にお願いする
補助金と似ていますが、助成金の提出書類の作成は、補助金と違って誰でもいいわけではありません。
厚生労働省に提出する助成金の提出書類を誰かにお願いするときは、社労士にお願いする必要があります。
厚生労働省が所管する助成金は、社会保険の1つで、社労士以外の人は提出書類を作成できません。
そのことを知らないと、犯罪にかかわってしまう可能性があるので、ぜひこれは区別をしておく必要があります。
このため、補助金と助成金の区別をあいまいにすることは危険なのです。
給付金
「持続化給付金」や「家賃支援給付金」などが記憶に新しいですが、これらは、「給付されるお金」で、審査がありません。
給付されるお金ですので、返済の義務はありません。使い道も自由です。
対象者が不備のない書類を提出すると、給付されます。
助成金や補助金に比べると、基準はゆるいといえます。
しかし、締め切りがあり、申請しないともらえないものなので、対象となっているときは早めに申請する必要があります。
支援金
支援金は、災害に見舞われたときに支払われるものです。
国や地方自治体から支援されるものについては、給付金とほぼ同じと考えてもらっていいでしょう。
助成金の種類と、主なもの
さて、厚生労働省が所管する助成金は、何千種類もあります。
助成金は、主に従業員を雇うときに適用があるものですが、フリーランスにも関係してきます。
フリーランスというと、1人で気ままな業態をイメージしがちですが、
そんな働き方のそういう人でも、仕事が軌道に乗ってくると、もう少し上の自己実現を考えるものです。
将来法人化してスタッフと一緒に働きたい人もいるでしょうし、法人化しないにしても、事業が軌道に乗ってきたら、少しずつ優秀なアルバイトを雇おうと考えている人もいて、様々です。
その時は忙しくて、助成金のことまで手が回らないかもしれませんが、
助成金は、雇った後だと受け取れないものが多いのです。
その意味では、フリーランスの時にこそ、ビジネス教養として助成金の基礎知識をもっておくべきです。
雇用している方、これから雇用する方に使いやすい助成金を紹介
たくさんある助成金で、従業員を雇っている方にとって、比較的活用しやすいものを5つご紹介します。
補助金と同じように、助成金の制度ごとに支給対象の事業主が異なるので、自分の会社が助成の対象になるかを厚生労働省のパンフレットなどで確認をしてください。
(1)正社員を増やしたいとき「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、契約社員(有期・無期)を正社員にするときに助成してもらえます。
もっとも活用されている助成金ではないかと思われます。
有期→正規で一人当たり57万円。
無期→正規で一人当たり28万円5千円。
それぞれ一定要件を満たすと72万円、36万円に増額されます。
ただし、支給申請上限人数は20人という上限があります。
(2)勤怠管理ツールを導入したい「働き方改革推進支援助成金」
働き方改革推進支援助成金は働き過ぎの防止等を目的として、支給対象ITツールや設備の導入を行うときに助成してもらえます(団体推進コースをのぞく)。
具体的には、ジョブカン勤怠管理、タッチオンタイム、KING OF TIMEといった勤怠管理のITツールが該当します。
タイムレコーダー、ICカードといった設備も該当します。
研修費やコンサルティング費用なども助成の対象となります。
取り組みの実施に要した経費の3/4が支給されますが、要件を満たすと助成率が4/5に上がります。
働き方改革推進支援助成金にはコースが4つあり、コースごとに上限額が異なります。
上限額は、概ね40万円~100万円です。
なお、働き方改革推進支援助成金の申請期限は2022年11月30日までとなっていて、いつでも申請できるものではありません。
お早めにご検討ください。
(3)社員研修を行いたい「人材開発支援助成金(一般訓練コース・特定訓練コース)」
人材開発支援助成金(一般訓練コース・特定訓練コース)は、業務に関する訓練費用が助成されます。
訓練費用の30~60%が助成されるほか、賃金についても1時間当たり380円~960円助成されます。
訓練時間の長さによって限度額が決まっています。
一般訓練コースの限度額は7万円~20万円。
特定訓練コースの限度額は10万円~50万円です。
通信教育も活用できるものがありますので探してみてください。
訓練は、業務に活用する内容でなければいけません。マナーや趣味に関するものは対象となりません。
ほかにも、訓練の内容には、何時間訓練をするのか、講師の経験は十分か、どこが主催するものなのかという次のような細かい要件があるので、よく確認して進めてください。
(4)より高度なITに関する研修をしたい「人材開発支援助成金(人への投資促進コース」)」
人材開発支援助成金(人への投資促進コース」)は、ITやデジタル分野で即戦力となる人材を育成する訓練を行う事業主を助成します。
こちらも(3)と同じく、職業訓練の助成ですが、高度デジタル人材訓練を行う場合は、助成率率が60%~75%と高くなります。
中小企業だと75%を助成してもらえます。
オンライン(eラーニング)による訓練も対象とされています。
また、資格試験の受験料も助成対象となります。
(5)仕事と育児等との両立を支援したい「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)」
両立支援等助成金(育児休業等支援コース)は、仕事と育児の両立を助成するものです。
中小事業主が対象となります。
育児休業をさせたとき28万5千円。
代わりのスタッフを雇うとき47万5千円。
職場復帰させるとき28万5千円です。
産休・育休を予定している従業員と育休プランを作成する必要があります。
従業員に突然休まれたり辞められたりしたら対応できないので、日ごろから産休・育休の予定がでたら男女問わず(男性の育児休業取得も別の助成金コースがあります)教えてもらうように従業員に伝えておき、産休・育休をとりやすい雰囲気づくりにすることが大切です。
ほかにも助成金はたくさんある
以上、助成金の主なものを紹介しましたが、他にも助成金の制度はたくさんあります。
雇用体制や従業員に変化があるときは、「助成金が使えないかな?」と考えてください。
まとめ:もらえるものはもらって、お金を残そう
補助金だと無理してもらいに行くと、やりたくもない事業をやることになって本末転倒になります。
補助金を後先考えず貰いに行くことはお勧めしません。
助成金についても、助成金欲しさに無理なことをするべきではないと思います。
しかし、「助成金を貰うために従業員をやとう」、という無茶をやる人はいないかもしれませんね。
助成金については、今後の事業計画を社労士さんに相談して、もらえそうなものをもらっていくのがよいと思います。
知らないともらえません。
無料で相談に乗ってくれる社労士さんもいます。
もらえるものについて、逃さない姿勢が、お金をあまらせ、経営を楽にしていきます。